11.16
ヴェルニー・小栗の功績をたたえて
こんばんは。西郷宗範です。
本来であればこの時期にはフランソワ・レオンス・ヴェルニーと小栗上野介忠順公の功績をたたえて、ヴェルニー・小栗祭式典が開催されるところですが、コロナ禍により今年も中止となってしまいました。
横須賀市の4大国際式典が今年はすべて中止となってしまいました。
残念ですが、世界の状況を見てもやむを得ない状況です。
国内の状況も収束の気配はあるもののまだまだ安心できる状況ではありません。
このような状況ではありますが、11月12日に上地市長が、ヴェルニー公園のヴェルニー・小栗胸像に献花を行いました。
このことについて、上地市長からメッセージが発せられました。
ぜひご覧ください。
横須賀市長からのメッセージ(ヴェルニー・小栗の功績をたたえて-令和3年11月15日-)
例年11月中旬に、ヴェルニー公園にて、「ヴェルニー・小栗祭式典」を開催しておりますが、昨年につづき本年も、新型コロナウイルス感染防止のため、式典を中止といたしました。
この式典には、毎年、フランス大使館をはじめ、フランスの姉妹都市であるブレスト市、友好都市である群馬県富岡市、倉渕地域の皆様など、ヴェルニーと小栗公にゆかりの深い多くの方々にご参列いただいており、2年連続でこの式典を開催できないことは、大変残念に思っています。
本年は、式典に代わり、11月12日に、ヴェルニー公園にある、ヴェルニー・小栗胸像に、献花をしてまいりました。
日仏の絆、そして、ヴェルニーと小栗公の功績をたたえる熱い思いは、これからも変わることなく続いていくものと確信しております。
さて、1853年のペリー提督の来航をきっかけに、近代的な海軍や造船所の必要性を感じた江戸幕府の勘定奉行小栗上野介忠順を中心に、1865年に横須賀製鉄所の建設が始まりました。
一方、造船技師であったフランス人、フランソワ・レオンス・ヴェルニーは、近代技術を駆使して、製鉄所やドライドックの建設を指導しただけでなく、メートル法や近代的な労働時間の管理などを、日本に初めて導入しました。
こうして、この二人の尽力により完成した横須賀製鉄所は、日本の近代化に大きな役割を果たしました。
また、横須賀製鉄所の副首長であったフランス人、ジュール・セザール・クロード・ティボディエは、造船技師として国産初の軍艦「清輝」の建造などのほか、日本人技術者の育成にも多大な貢献をしました。
そのティボディエの官舎を、当時の部材を一部活用しながら、現代工法で再建したのが、今年5月に開館した「よこすか近代遺産ミュージアムティボディエ邸」です。
このティボディエ邸では、保存されていたキングポストトラスや木骨レンガ壁などの実物を見ることができるほか、横須賀製鉄所から生まれた技術や文化・習慣などに触れたり、体感型シアターでタイムトラベルを楽しんだりすることができます。
ティボディエ邸は、横須賀の歴史、文化、自然を観光ルートとしてつなぎ、市内全体を大きなミュージアムとして楽しむ、よこすかルートミュージアムの周遊起点にも位置付けており、是非、多くの方に訪れていただき、日仏の友好の歴史とその証を、感じていただきたいと思います。
現在は落ち着きを見せている新型コロナウイルスですが、まだまだ予断を許すことはできません。
しかしこれからは、コロナと共存しながら、横須賀の元気を取り戻していく時期にしていかなければならないと思っています。
再び感染が拡大することのないよう感染症対策を徹底した上で、人々の交流や経済活動を再開させていき、街のにぎわいを、一日も早く取り戻していきましょう。
横須賀市長 上地克明