02.17
骨髄移植セミナー
こんにちは。西郷宗範です。
先日、私が所属する横須賀みかさライオンズクラブで「骨髄移植セミナー」を開催しました。
開催にあたり公益社団法人日本骨髄バンクの方からクイズ形式で骨髄移植についての認識について聞かれました。
ライオンズクラブはこれまで奉仕活動としてドナー登録されている方も多いので認識は高い方なのですが、それでも誤解をしている点が多かったです。
となれば、一般の方の誤解というのはもっと多いことになります。
さて、骨髄バンク事業とは、「移植に用いる造血左幹細胞の適切な提供と推進に関する法律」に基づく骨髄・末梢血管細胞提供あっせん事業者として、日本骨髄バンクが主体となり、日本赤十字社及び地方自治体の協力により行われている公的事業です。
造血幹細胞移植が必要な病気としては、急性骨髄性白血病、急性リンパ性白血病、骨髄異形成症候群、リンパ系悪性腫瘍、再生不良性貧血などがあげられます。
では、骨髄とは何か…
この辺で誤解が多いのですが、まず、骨髄はせき髄とは関係ありません。
骨髄とは、骨の内部にあるスポンジ状の組織で、この中に造血幹細胞という血液をつくるもととなる細胞があり、この細胞が分化して、赤血球・白血球・血小板が作られていきます。
また、赤血球にはABO型の血液型があるように、白血球にもHLA型(Human Leukocyte Antigen=ヒト白血球抗原)という形があるそうです。
HLA型は多数あり、その組み合わせは数万通り…
両親からその半分ずつを遺伝子に受け継ぎます。
そのため、兄弟姉妹館では4分の1の確率で一致しますが、親子間ではまれにしか一致せず、他人同士では数百から数万分の1の確率でしか一致しません。
どれくらいの確率かというと、東京ドーム満席で1人見つかるかどうかの確率です。
当然、ドナー登録者が多くなければその確率も低くなってきます。
また、誤解の多かったのが骨髄採取の方法です。
全身麻酔をかけて行われ、骨盤を形成する大きな腰の骨(腸骨)から注射器で採取されるそうです。
つまり、骨を削るだとか、半身不随の可能性があるといった都市伝説的なことはないということです。
骨髄採取の場合は3泊4日の入院が必要ですが、採取日などはドナーの予定が優先されるそうです。
ほかにも末梢血幹細胞採取という方法もあるそうです。
続いてドナー登録ができるのは、骨髄提供の内容を理解し、年齢が18歳以上・54歳以下で、体重が男性45㎏以上・助成40㎏以上、過去に輸血を受けておらず服薬中でない健康な方だそうです。
ドナー登録は献血ルームや保健所等で可能で、2mlの採血で済みます。
もちろん登録は無料です。
そして、ここでも人口減少の影響というものは出ています。
年間のドナー登録し受付数が減少傾向にあるのです。
特に神奈川県内にいたっては2005年に比べて2015年は7分の1の人数しか登録していません。
この一つの原因としては地方自治体の補助などの
登録が多いのは40代が最も多く10代、20代の若年層が非常に少なく、今後は若年層への取り組みが急務となっています。
当日は骨髄の提供を受けた方のお話もお聞きしました。
再発により2度の骨髄移植を体験され、いまはボランティアとして骨髄移植セミナーなどで体験談を講演されているそうです。
こればかりは実際に聞いてみないと提供される側の大変さというものはわからないのでここでは割愛しますが、今回セミナーを開いてクラブとしてもとてもよかったと思っています。
このブログを読んで下さった方にもぜひ一度ドナー登録の検討をしていただきたいと思います。