06.28
常陸那珂火力発電所
こんばんは。西郷宗範です。
きょうは会派で東京電力常陸那珂火力発電所を視察しました。
なぜ常陸那珂火力発電所かというと、計画が発表されている(仮称)横須賀火力発電所新1・2号機建設計画と同じ石炭火力発電所からです。
横須賀火力発電所は昭和35年に1号機が運転開始されて以来、すでに55年が経過し、新たに高効率な発電設備に更新する時期に来ています。
そこで計画されたのが石炭による発電施設(65万kW×2基)…
石炭というと、粉じんが飛散するのではないかとか、ばいじんが飛散するのではないかとか、様々な心配が市民から上がるのではないかということで、その安全性なども含めて常陸那珂火力発電所の視察となりました。
常陸那珂火力発電所は100万kWの設備が2基あり、敷地面積も東京ドーム30個分ということで規模は違いますが、設備的には大きく違いはありません。
海外から船で運ばれた石炭を貯炭場に保管し、それを順次ベルトコンベアで施設に運びます。
ボイラに投入する直前に粉砕機で微粉炭にされボイラで燃やされます。
この燃焼を利用して水が高温高圧の蒸気になり、その蒸気の力でタービンを回転させ発電するのです。
保管されている石炭はおおむねこぶし大で、常陸那珂火力発電所では遮風フェンスと散水により粉じん対策を行っており、周りに飛散することはありません。
横須賀の場合は屋内式貯炭設備を予定しており、飛散の心配は全くありません。
石炭はオーストラリアをはじめ各国から輸入しており、それらを別々に保管することによってそれぞれのカロリーに応じてミックスして使っているようです。
カロリーについて質問したところ7000キロカロリー/kgとのことでしたので、かなり高カロリーの石炭を安定供給しているようです。(石炭3000kcal~8000kcal)
横須賀は屋内保管ですから天候や散水などによるカロリーロスがありませんのでより安定供給なのではないかと思います。
唯一残念なのは横須賀火力の岸壁では水深が足りず、直接大型船からの石炭の受け入れができないということで、どこかで小型船に移し替えてから運ぶということで少し手間がかかってしまうようです。
さて、排ガスに関しては窒素酸化物は排煙脱硝装置でアンモニアを噴霧し、無害な窒素と水蒸気に変化させ、ばいじんは電気集じん装置で改修します。
また、硫黄酸化物は排煙脱硫装置で石灰石スラリーを噴霧し石こうとして取り出します。
これらの技術は石炭火力に限らず、廃棄物の処理施設など何かを燃やす施設では当たり前の技術ですので、まず心配があることはありません。
現在横須賀の計画上で予測されている結果でも環境基準値を大きく下回る予測がされています。
焼却施設で働いていた私としては、現状の環境基準や法的基準などこうした施設にはかなり厳しい基準が設けられているため、何の心配もないと思っています。
もちろん施設的にはそれを大きく下回る自主基準なども設定したりしますし、問題はありません。
横須賀火力発電所が更新されることによって久里浜地域などの活性化にもつながりますし、電力の安定供給にもつながり、横須賀にとってもとてもよいことです。
早く施設建設が始まり稼働することを期待したいと思います。