06.15
「点字版 美術館案内」と「点字版 フロアガイド」
こんばんは。西郷宗範です。
全ての人が同じように様々なものを楽しむというのは、限界がどうしてもあります。
以前、聴覚に障がいのある方が音楽を楽しむための道具として、パイオニアの体感音響システム「ボディソニック」の視察についてご紹介しましたが、その後、横須賀市内でも数回実証実験を行ってきましたが、なかなか普及しません。
最近は手話による音楽などを研究しています。
コロナ禍で国歌斉唱ができないのであれば、手話で歌えばいいのではと思う次第です。
ただ、現在、君が代の統一した手話が無いようで、手話通訳者により異なっているのが現状です。
牧島かれんデジタル大臣や今井絵理子参議院議員などがそれぞれ手話による国歌斉唱を働きかけているようですが、実現はまだしていません。
さて、今日の本題ですが、視覚に障がいのある方が美術を楽しむということもなかなか難しいのが現状です。
美術品の保護の観点から直接触ることはできません。
ではどのように楽しむのか…
学芸員との対話鑑賞というものがあるそうです。
横須賀美術館では事前予約制で学芸員との対話鑑賞を行っています。
視覚障害の方が作品への理解を深めるため、学芸員や同伴の方などと一緒に楽しく対話しながら、美術作品を鑑賞することができます。
今回、横須賀美術館では、障害の有無にかかわらず、美術を楽しんでいただくため、新しい「点字版 美術館案内」と「点字版 フロアガイド」をつくりました。
蛇腹折りのパンフレットになっていて、表面は、点字・墨字・触図で横須賀美術館の情報をお伝えしています。
表紙や中面にはフロア図などがエンボス加工で印刷されており、触察することができます。
裏面は、墨字のみとなりますが、Uni-Voice音声コード(印刷物の文字情報を二次元コードに変換したもので、専用アプリを利用して、スマートフォンなどで情報を音声にすることができます)がついています。
「横須賀美術館のことが知りたい」「来館する際の予習として利用したい」など、ご希望の方には、館内はもとより郵送でも提供しているそうです。
ダイバーシティという言葉が使われるようにはなっていますが、こうした一つ一つの改良によって、すべての人が同じように様々なことを楽しめる世の中が来るのかもしれません。