04.13
次亜塩素酸水の解説
こんばんは。西郷宗範です。
横須賀市では、現在、無料で次亜塩素酸水の配布を行っていますが、似た名前のものが多いため誤解などが生じているようなので、提案するにあたって調べた内容で少し解説したいと思います。
次亜塩素酸水は殺菌料の一種で、塩酸または塩化ナトリウム水溶液電解することにより得られる次亜塩素酸(HClO)を主成分とする水溶液です。
今回、横須賀市で配布を行っている次亜塩素酸水はpH5~6.5の微酸性次亜塩素酸水で、中性がpH7ですので中性に近い酸性の水溶液となります。
また、配布中のものの有効塩素濃度は30ppm程度となります。
2002年6月に厚生労働省から食品添加物として認可(官報3378号)もされています。
特に微酸性次亜塩素酸水は次亜塩素酸の存在比率が高く、比較的低い有効塩素濃度でも短時間で殺菌効果を示すそうです。
よく漂白剤などを希釈した次亜塩素酸ナトリウム液と混同されがちですが、全く異なるものです。
次亜塩素酸ナトリウム液はアルカリ性で、直接手で触れると手の表面を溶かします。
また、目に入ると失明などの危険性もあります。
しかし、微酸性次亜塩素酸水は、次亜塩素酸が菌に触れるとすぐに殺菌反応を起こし、分解され水になってしまいます。
そうしたことから人体に影響を及ぼすことはほとんどありません。(まれに体質に合わない方がいるそうですのでその際は使用をおやめください。)
次亜塩素酸水が分解され水に戻るという性質はメリットでもありデメリットでもあります。
メリットは分解して水に戻る性質のため、安全性が高いことです。
一方で、デメリットは、
・有機物に触れると水に戻る
・紫外線に当たると水に戻る
・消費期限を過ぎると水に戻る
ということです。
有機物に触れるということは、消毒する面に汚れがあると、汚れの下まで殺菌できません。
この辺が、先日、報道であった厚生労働省が「手指消毒の有効性は未確認」といった部分で、食品添加物として食品の洗浄などで行われた試験方法とは異なるため生菌数のデータがなく確認のしようがないためです。
また、紫外線に弱いことや保存期間が短いことからも、管理方法も難しく、厚生労働省としても効果があるとは明言できないでしょう。
しかし、次亜塩素酸水の活用は感染防御のため大いに役立つと判断・期待されていることは事実です。(一般社団法人機能水研究振興財団HPより)
本来であれば、一番期待できる次亜塩素酸水の流水で洗浄するのが望ましいようですが、しっかりと薬用石鹸で手洗い後に次亜塩素酸水で除菌すれば、効果はかなり期待できると思われます。
また、家具やドアノブなどの除菌への効果を否定しているものではありませんので、こちらも有効です。
30ppm程度であれば、超音波式加湿器による空間除菌も可能です。(対応していない機種では不具合が生じることがあります。)
横須賀市ではApia270という機種を10台購入し、今週末にはすべてが納品されます。(現時点では7台納品済み)
270l/hの生成能力の器械が10台ですから、時間2,7t生成できるということです。
十分な量が生成できますので、除菌の際には十分な量を利用し、無くなった場合は市で補充してもらってください。
かなり簡略化した説明のため、また、わたくし自身も専門家ではないため、不十分な説明もありますが、様々な文献等から調査したうえでの提案です。
配布時にお配りしている使い方を守りながらご利用ください。