06.01
呉市観光振興策【視察報告】
こんにちは。西郷宗範です。
きょうは会派視察2日目の呉市観光振興策について…
呉市といえば、日本遺産でもおなじみなように、旧軍港市として横須賀と同じような土地柄を持つイメージ…
しかし、実際に行ってみると、その観光振興策は横須賀よりも積極的なものが多くありました。
今回の視察では、昨年話題となった呉市のシティプロモーションの取り組みを中心に、観光振興策について視察を行いました。
呉市では観光誘客や移住・定住促進が図れるよう、呉市の魅力・呉らしさを戦略的・効果的に情報発信することを目的として、平成28年度からPR動画とイメージキャラクターの制作を行いました。
呉市のこれまでの観光は、年間1200万人を超える集客数がある大和ミュージアムなどの大型観光施設を所有しているものの、その他の施設等に寄ることなく帰ってしまうということでした。
これに対して問題意識を持ち、呉市の持つ「瀬戸内らしい」資産の数々をいかに周知していくかを検討し、SNSで最も拡散力がある30代から50代が興味を抱く、動画とキャラクターで全国的な話題を狙うことを考えました。
全国で氾濫するご当地キャラのなかで、いかにどの市のキャラクターかがわかるかが重要と考え、キモ可愛さを売りとしたキャラクターを発表ししました。
今回のプロモーションでは、企画から制作に至るまで株式会社電通で行っているそうです。
当初、キャラクターの呉氏を内部検討したときは、女性から酷評をいただいたとか…
このプロモーションに係る予算は平成28年度3000万円、平成29年度4600万円、平成30年度2000万円ということですが、効果検証を行ったところ、約3億円以上の宣伝広告効果があったそうです。
特にYoutubeの動画再生回数は、平成29年2月に発表した第1弾が61万回再生、平成30年2月に発表した第2弾が11万回となっています。
特に発表時の初動が良く、発表後1週間で動画再生回数が15万回を達成し、民放キー局などからの取材が殺到しました。
私も朝のワイドショーなどでさんざん見ましたから効果はかなりあったと思います。
その後も、様々なイベントにキャラクターの呉氏が呼ばれるようになり、関連商品は200本以上あるなど、効果が上がっているようです。
呉市の入込観光客数は平成17年の大和ミュージアム開館を境に2倍以上に伸び、観光消費額に至っては5倍以上の伸び率があります。
しかしながら、ホテル不足による宿泊客数の低迷が課題となっています。
ここは横須賀も同じですね。
かねてからホテルの誘致が必要ということは提言していますが、なかなか実りません。
こうしたことを鑑み、呉市への観光は、大和ミュージアムを中心とした通過型の観光スタイルが顕著で、経済効果は限定的なことから、滞在時間の延長や観光消費額の増加につながる取り組みが求められています。
本市の着地型の観光スタイルは通過型の呉市の観光と相通じるものがあります。
同じく、軍港を主体とした観光がメインに置かれる点でも同様であり、本市の観光にも抜本的な改革が求められます。
実際のところ、呉市と海上自衛隊等との関係性は横須賀よりも数段強固であると感じました。
例えば昨年の初旬に話題となったアニメ映画「この世界の片隅に」は町中よりも自衛隊関連施設でのほうがたくさんPRされていました。
また、呉地方総監が考案した「愚直たれ」という万能ソースが呉市内では知らない人がいないほど有名だとか…
自衛隊が町のPRに通じるものを行ってくれるというところは、本市とは明らかに異なるところでしょう。
こうした点を見ても、私たちも自衛隊との関係をさらに強固にする必要があると感じました。
その他、呉市では、近年、フイルムコミッションによる映画などの誘致が成功していることもあり、本市においてもメディアディスクだけではなく、フイルムコミッション形式の奥の深い誘致が必要ではないかと考えます。
確かに、最近、メディアで横須賀を見る機会は増えていますが、それだけで誘客につながるかというとそうでもないような気がします。
フイルムコミッション形式にすることで聖地巡礼マップなど、ファンが周遊できるツールができるというメリットもあるかと思います。
呉市においては単独の動画などによる誘客も行っているほか、広島県全体の観光誘客の取り組みも盛んであることから、相乗効果による誘客もあるのではないかとも思われるが、観光客に対するインパクトとしては呉市のキャラクターは十分な効果を発揮しているといえます。
ちなみに、広島県の観光プロモーションサイトは第1弾からファンで、今回は牡蠣に特化していますが、毎回楽しませてくれます。
ぜひ一度見ていただくといいかもしれんせんね。